先日、人生で初めて社内でのワークショップの企画をしました。
初めて開催したわりに皆に楽しんでもらえ、会社としても想いの共有ができたので非常に良かったです。中には「4年間こういうのを待ち望んでたんです!」という人もいました(笑)
そこで今回は、
という人に向けて、初めてでも失敗しない方法を解説していきたいと思います。
それでは参りましょう!
ワークショップ開催の許可をとる
まずは上司の同意を得ましょう。これ大事。少人数の会社なら社長でもいいと思います。
ワークショップの目的をしっかり伝えよう
同意を得ようとしても、「ただなんとなくやりたい」というだけでは同意を得られません。
「何を解決したくて行うのか」「その問題を解決するのはワークショップが一番最適な理由」などをしっかり伝えましょう。
ここの筋が通ってないと、オフィス内での開催や業務時間内での開催が難しくなるかもしれません。
熱意と理屈を上手に使おう
一回話をして却下されてしまっても、熱意を持って言い続けましょう。
現場が必要だと思っていても、経営陣にはその必要性が伝わっていない場合があります。現在の売上、業界内のポジション、会社の今後の方向性などの視点から伝えると納得してもらいやすいかもしれません。
例えば、
売上が下がっているのは、チーム全体の目的意識が統一されていないからです!
再度、目的意識の統一を図るために、ワークショップをしましょう!トップダウンだけよりも、現場の声を共有して「じぶんごと化」できるようになったほうが統一はしやすいはずです!
といった具合でしょうか。
ヤマダの場合の伝え方
僕の場合は「ビジョン・ミッションの浸透と、コミュニケーションの改善」を目的として提案しました。というのは、社内での人間関係の不和があったためです。「誰々は贔屓されてる」とか「誰々は意識が低い」とか「私だけ残業が多い」とか。人を見て仕事をする人が多い印象でした。
というように提案しました。
お互い向き合って一緒に働いていると、どうしても相手の悪いところ、自分との差異などが目につきやすくなります。
そこで目線を「人」ではなく「目的」に向けることで、細かいことを気にしなくなるように仕向ける、という作戦です。もちろん継続してやっていくことが前提ですが。
ワークショップ開催までの準備
さて、社長か上司からGOサインをもらったら準備に取り掛かりましょう。
ワークショップの成否の鍵は、とにかく準備です。一に準備、二に準備。三四も準備、五も準備。
当日の進行をイメージしながら、必要なものをリストアップしていきましょう。
・進行表の作成
・ファシリテーターの任命
・開催場所の設定
・食べ物、飲み物の用意
・備品の用意
・ワークショップ・デザイン
・スライドの作成
・アンケート用紙の作成
・告知ポスターの作成
・根回し
順に説明していきます。
進行表の作成
まず進行表を作りましょう。
通常は「挨拶、目的の共有、ワークショップの説明、ワークショップ、まとめ」みたいな流れでしょうか。
僕の場合は、ワークショップの前に社長からビジョンの共有をしてもらいました。こうすることで、ワークショップの意義を自分たちの中で見つけてもらいやすくなります。
ファシリテーターの任命
その際、ファシリテーターも決めましょう。僕の場合は、自身で務めました。
※ファシリテーターとは
ワークショップの司会進行役。中立的な立場から、皆の意見を引き出したりまとめたりする役割も担う。
ファシリテーションを得意とする人がいればその人にお願いしてもいいですが、基本的には流れを把握している人がファシリテーターをしましょう。企画や進行を作っている人ですね。
なぜなら説明する必要がないので、そのほうがスムーズだからです。
開催場所の設定
弊社の場合は、20人弱入れる会社の休憩室があったのでそこで行いましたが、会議室が小さい会社ではそうもいきません。
そんな時は、コワーキングスペースや喫茶店の貸し会議室などを使いましょう。1時間数千円くらいなので、費用を抑えてワークショップを行うことができます。
東京都内であれば、貸し会議室やレンタルスペース予約サイトの「【れすなび】」がおオススメ。都内を中心に格安会議室が800室ほど掲載されており、場所・日時・人数などから検索できます。
安いところであれば1時間500円~というところも。
食べ物、飲み物の用意
業務時間後に行うのであれば、軽食や飲み物を用意してもいいかもしれません。会社的に問題なければ、お酒があったほうがリラックスして行えます。
あらかじめ、どれくらいの参加者が来そうか・どれくらいの量の軽食やお酒があれば足りるのか、などを把握しておきましょう。
しかしイベント直前になって急に参加者が増える、なんてことありますよね。
そんな時は、Amazonプライムが便利です。前日の注文で、翌日すぐ届くので。しかもケース売りが安い。
弊社の場合は、定番のビール・ダイエッター向けにハイボール・女子向けにほろ酔いというチョイスでした。社長セレクトです。
食べ物はピザに加え、銀のさらのお寿司。女性陣には、やはりお寿司が人気でした。
備品の用意
ワークショップを行うとなると、ペンやスケッチブックなどが必要になります。当日に「あっ!!足りない!」ということがないように、あらかじめ準備しておきましょう。
そんな時もやはり、Amazonプライムが便(略
僕の場合は大きなスケッチブックとポストイットなどを追加で購入しました。
また人数が多ければプロジェクターも必須です。
僕の場合は、もともと会社にありましたが、無い場合はこれを機に購入してもいいかもしれません。ワークショップはもちろん、会議でも便利です。
安いものなら1万円を切るので。
ワークショップ・デザイン
どういったワークショップにするか、ここが一番肝心で、一番頭を悩ませました。
僕の場合は、ワークショップの目的・テーマを「話そう」に設定しました。これは社内でのコミュケーションが足りてないことによる、意識のズレがあったからです。
コミュケーションの問題を全員と共有したかったので、以下のような内容にしました。
①チームごとに会社のいいところを挙げる
②会社の問題点や良くないところを挙げる
③それらを伸ばす、または解決できる具体的なアイデアを出し合う
④発表
という感じです。
まず、会社のいいところを再認識することで、「自分たちの会社メッチャいいじゃん!好き!」と思ってもらう狙い。
次に悪いところを挙げることで、この状況を引き起こしている原因、何が良くないのか、を探します。人に指摘されるよりも、自分たちの頭で考えることが大事なので。
そして、いいところを伸ばす、または悪いところを改善するための具体的なアイデアを出す、という流れです。
ワークショップには色々な手法がありますので、目的に応じて変えてみましょう。以下に代表的な方法が挙がっていますので、参考にしてみてください。
あと、通常のワークショップであればアイスブレイクとして自己紹介をしたりします。しかし、社内ワークショップでその必要はないので、チーム名を決めさせることにしました。
チームによって色々個性があって面白かったです。女性の多いチームは48グループをもじったようなもの、メガネが多いチームは「近眼と乱視」、社長に媚び売りたいチームは「社長lovers」など…。
ま、お遊びとして、本番前の練習みたいなものです。これをすることで、みんなの「話し合う準備」が整いました。
スライドの作成
スライドも作らないといけません。今回は社長からのビジョンの説明もあったので、総ページ20枚ほどでした。
ワークショップだけなら、もう少し少なくできるはずです。
ポイントとしては一枚につき、1センテンス。文字は大きく。です。
通常はPowerpointやMacであればKeynoteなんかが便利ですが、使い慣れたツールを使うのが一番。
というわけで僕は、Illustratorで作成しました。イラレ最高。
なるべくみんなが楽しめるよう・わかりやすいように、会社の目的をワンピースに例えて説明しました(笑)
完全に悪ふざけです。しかも合成が雑(笑)いい感じの写真がなかったので…。
スライドはこちら。
アンケート用紙の作成
次回開催の参考になるように、アンケートも作りましょう。「あんなところが良かった」「こんなワークショップをしたい」などの意見があると、次に活かせます。
あと終わった後に見返すと、なんだか幸せな気持ちになれます(ニッコリ)
告知ポスターの作成
やります!とお知らせして、社内メールやSkype、Slackなどで告知しても人は忘れます。なので、僕の場合は告知用ポスターを制作し、毎日必ず一度は目にするであろう会社の冷蔵庫に貼りました。
こちらがそのポスターになります。
会社でワークショップするんでポスター作った。ぼかし入り。
ポスターデザインよりもワークショップのデザインに時間がかかるという・・・💦 pic.twitter.com/XHKds9usHF— ヤマダ カイト@デザインとブログの複業家 (@slash_kaito) 2018年10月24日
ポスターを掲示した段階では、まだ告知はせずに「あれはなんだ?ザワザワ….ザワ….!」という状況を意図的に作りました。
中には「めっちゃいいですね!写真撮りました!」という社員も。嬉しいですね。
根回し
告知はしたものの、「どうしようかなー行こうかなー」という雰囲気が社内に蔓延していました。
お前行く?みたいな。牽制しあってる感じ。
そこで、ことあるごとに「ワークショップ行く?」と聞き、行かなそうな雰囲気を出していたら、めちゃくちゃ説得しました(笑)
歩く宣伝カーみたいな。
このおかげかどうかわかりませんが、当日ほとんどの社員が参加してくれました。非常にありがたいですね~。泣きそう。
当日はとにかく楽しむ
さぁ本番当日。
色々準備した後は、何も考えず楽しむだけです。
ポイントとしては、わかりやすく・大きな声で話すこと。自分も参加者となって楽しみましょう。
僕は、社長の話の最中にハイボール入れすぎて、ワークショップの最中は完全に酔っ払っていました(笑)
とはいえ、いい感じにみんなの議論も進んでいたようで「なるほどね!その発想はなかったなぁ」という意見やアイデアもポコポコ生まれていて、個人的にも非常に楽しめました。
みんな楽しんでくれたようで何よりです。
ワークショップ開催後の感想
今回やってみた感想としては、準備がめちゃくちゃ大変だったということ(笑)
しかもほぼ一人でやったので….
可能な限り、手分けしてやるのをオススメします。
とはいえ、会社の売上に直接的に関わることではないので、なかなか人員を割きづらいかもしれませんが…。入りたての新人に企画・準備させてみてもいいかもしれませんね。段取り力がつくので。
やって良かったポイント
やって良かったなぁ、と思うポイントを挙げていきます。
・他部署とたくさんコミュニケーションとれた
・会社のいいところと悪いところが見える
・段取り力がレベルアップする
・みんなに感謝される
他部署とたくさんコミュニケーションとれた
やはり一番は「他部署の人と、たくさん話せたこと」です。しかも業務以外の仕事のことについて。
普段はスカイプなどのコミュニケーションツールでほとんど話してしまうので、業務以外の話はあまりしません。特に仲の良い社員以外とは、話す機会はそう多くありませんでした。
サイボウズ山田理副社長(@osamu419)が言うところの、「ザツダン」ですね。
◼︎本日の学び
※自己解釈含む❶ザツダンを取り入れる
→距離感を掴む
→相手を受容しアウトプットのしやすい関係性を作る❷質問責任を与える
→分からない事を棚上げさせない
→当事者意識が持てる❸理想を追い求めない
→その場に求められる役割を追い求める— ホシノ ショウタ (@NOSHIHO_821) 2018年10月22日
これがないと、離職率が高まったり、不満不安が増えたり、業務効率が下がったり…。とにかく良くない状況です。
話さない人とは、意外と話さなかったりしますし。そういう人と話せる良い機会になったのでは、と思います。
会社のいいところと悪いところが見える
自分がいる会社が、何から何まで嫌だという人は少ないでしょう。少ながらず好きなところがあるはず。それを改めて考え直しみんなと共有することで、新しい発見がありました。
また会社に対する不満も誰しもがあります。それを内に溜め込んでしまうと、蓄積されいつか爆発してしまいます。不満をみんなで共有することで、適度にガスを抜きつつ「じゃあどう解決する?」と建設的な話に昇華できました。
段取り力がレベルアップする
ここから先は企画・開催した人間についての話です。要はこれからワークショップを開催しようとしている、あなたにとってのメリット。
イベントの企画は見積もり力、段取り力が肝になります。イベントの目的設定、交渉、準備など…これはすべての仕事に通じる普遍的な能力だと思います。
段取り力が大事!というのは三谷宏治氏の「戦略子育て」でも書かれていました。彼は小学生のお子さんの段取り力を鍛えるため、予算を与え誕生日や家族旅行の企画を完全に任せていたそうです。
子供の頃から段取り力を鍛えると、就職活動や仕事の面でも有利だった、と後に社会人になった三谷氏の娘さんが語っているのが印象的でした。
みんなに感謝される
みんなが問題意識を感じながらも日々の仕事に追われてしまっている中、一人粛々と行動に移して実行できる。
「やろうと思った」「やろうと思っている」ではなく「やった」。これが他者との差別化ポイントとなります。差別化できるとどうなるか。
感謝されて、一目置かれるようになるんですね。
すると仕事をしやすくなる、提案を通しやすくなる、といったメリットが生まれるのです。あとは上司や社長から評価してもらいやすくなります。
自分で仕事を生み出せるんだな、と思わせるのは大事です。そんな話はこちらでもしていますので、あわせてご覧ください。
反省ポイント
一方で、初めての開催だったこともあり、反省点もいくつかありました。
・一人でやらない
・チーム分けは普段あまり話さない人たちをぶつける
一人でやらない
準備など一人でやってもそんなにメリットはありません。
それよりも一部でもいいので、多くの人に関わってもらうことで「ジブンゴト化」したほうが大きなメリットとなります。
チーム分けは普段あまり話さない人たちをぶつける
普段よく関わっている人よりも全然話さなそうな他部署の人をチームにしましょう。そうすることで、各自が違う視点を取り入れることができます。
テーム分けにはこのツールを使いましたが、偶然にも普段話す人間が固まってしまったので改善の余地があります。
リンカイ、またはコンカイのまとめ
以上ワークショップを開催する方法でした。
自分自身、社内ワークショップのことを調べていて「もっとわかりやすく教えてくれるブログはないものか」と思ったので、この記事を書きました。
参考になれば幸いです。
これから社内でワークショップを企画しよう!とか、ワークショップの開催を上司に依頼された!とか、そんなあなたのお役に立ちますように。頑張ってくださいね!
それではまた。
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