どうも!ヤマダカイト(@slash_kaito)です。
楽天市場はそのモールの特性上なのかなんなのか、定期購入にあまり力を入れていません。
定期への引き上げや、解約防止などの施策もとても打ちにくいシステムとなっています。
しかし、回数の縛りもなく解約もweb上で手間なくできる定期は、店舗にとってもお客さまにとってもメリットだらけ。
●店舗のメリット
定期の売り上げは積み上げ式なので総売上のベースアップを図れる。
●お客様のメリット
再注文の手間なく、お得に購入できる。解約も楽天のサイト内でカンタン。
しかし、普通に販売しているだけでは定期購入の存在は気づかれません。
そこで今回ご紹介するのが、「定期購入を増やす3つの施策」です。
実際にこの施策をしたところ、定期の売り上げが、ジャンル内でTOP5位以内に入りました。
上手に活用して楽天内の定期購入を増やし、売り上げを右肩上がりにしていきましょう。
定期購入とは
そもそも定期購入というのは、どういうシステムなのでしょうか。
お得に自動で商品が届くシステム
要は「毎月続けて買ってくれるなら割引しますよ、でも自動更新だから解約するまで続くからね」ということです。
健康食品や化粧品など、消耗品の通販でよく使われる手法です。
お客さんは注文の手間がなくなるうえ、安くなる。
店側は毎月の売り上げの見通しが立ちやすい。
しかも解約するまで続くから、 LTV がドンドコ上がる。
ニュースにも報じられ、悪いイメージで広まる
完全にWIN-WINなシステムのはずなんですが….。
一部のあくどい業者によって、悪いイメージが植え付けられてしまいました。
「お試し」のつもりが「定期購入」急増 相談の8割は女性(J-CASTニュース)
サンプル購入と称して定期購入に申し込ませる、定期への申し込みであることをとんでもなく小さいサイズの字で書く、など。
その行為は悪質極まるものです。
消費者庁も警戒を強め、様々な対策を講じています。
定期購入の条件を注文確定ボタンから離れた場所に小さく記載するなど施行規則に違反した場合は、特商法に基づく指示や業務停止命令の対象となる可能性がある。
とはいえ、やっぱり定期は重要だよ!
そんなこともあり、近年消費者庁の指導も厳しくなってきましたが、それでも定期購入へのアップセルは会社にとって大きな利益をもたらします。
用語解説:アップセルとは
購入商品よりも上位のものを購入してもらうこと。
例えば、マクドナルドでハンバーガーを買おうとした時に「今ならビッグマックがお買い得ですよ!」と言われビッグマックに変更した。
これがアップセル。
客単価が大きく変わるため、売り上げにも大きな差が出る。
そして社長の財布が膨らむ。
ダイレクトマーケティング0の田村雅樹社長も、先日の講演で似たようなことを話していました。
DM0田村雅樹氏の講演を聴いてきた。話が上手すぎて吐きそう。
継続率上げんとなぁ。少しずつやってこう。 pic.twitter.com/2UCr4vabva— ヤマダ カイト@デザイン/ブログ/副業 (@slash_kaito) 2018年4月10日
田村社長の通販に対する造詣の深さはスゴいです。あと熱量も。
DM0さんは郵便局が主催する「全日本DM大賞」で毎年受賞しているスゴい制作会社さん。
こちらの著作も、通販に関わっている人なら役に立つこと間違いなし。オススメです。
定期購入に向いている商品・向いていない商品
とはいえ、全ての商品に定期購入の需要があるわけではありません。
表にしてみましょう。
あくまで個人の感想ですので、中にはコレ向いていないよ!アレ向いているよ!というのもあるかもしれません。
定期購入に向いている商品
向いている商品は、「基本的に毎日使用するもの」です。
例えば
・化粧品
女性の方は毎日使う人が多いですよね
・サプリ
健康を気にしている人は毎日飲みます
・食材
毎日料理する人にとっては必須です。水などの飲料も含まれますね。
・通信講座
毎日ではないですが定期的に行われるものです。
・衣類
同じ服ばかり欲しい人は多くいませんが、「ファッションコーディネーターが、毎月見立てた服を送ってきてくれるサービス」なら定期に向いています。
楽天内では似たような形で「頒布会」がありますね。これは、毎月別の商品を届けてくれるサービスです。
などが向いている商品です。
これだけではなく、定期購入のようなシステムは我々の身近なものでたくさんあります。
例えば携帯電話の通信料・家賃・新聞の購読。
これらも全て、カタチを変えた定期購入です。
定期購入に向いていない商品
逆に、定期に向いていないのは「買ったらしばらく買い替えないもの、減らないもの、壊れにくいもの」です。
割と高額商品とかが多いですね。
例えば、
・家具
同じ家具は何個も必要ありませんので
・電化製品
同じ理由です。
などでしょうか。
上記の表を参考に、少しでも定期の需要がありそうな商品は定期購入に登録しておきましょう。
商品を定期として登録する方法
では現在販売中の商品を、定期商品として登録する方法です。
①まずRMSにログインします。
②商品登録ページへ。
③商品ページ設定を選択
④定期商品商品登録を選択。
⑤あとは通常の商品登録と同じように各項目を記入していきます。
少し違うのは、最下部の定期購入情報の部分。
お客様自身が選ぶお届けサイクルの選択項目や説明を記入します。
楽天大学でも詳しく解説されておりますので、さらに詳しく知りたい方はこちらから。
【RMS】定期購入商品を登録する方法 [R-Storefront]【商品登録・更新 商品ページ設定】(RMSへのログインが必要です)
受注管理・出荷処理を変更する
ステップとしては必要なんですが、あまり詳しくないです….!
すみません・・・デザイナーなんで全くこの業務に関わってません。
勉強しておきます。
ただ一つ言えるのは、うちの会社では独自開発のオーダーシステムを使って、独自ドメイン・楽天・ヤフー・アマゾンなど全て一括して登録・配送しています。
楽天だけじゃなくヤフーや独自ドメインの店舗を検討しているならば、受注処理は一元管理できたほうがいいです。
多店舗一元管理サービス TEMPOSTARは楽天カンファレンスや通販のセミナーなどでもよく見ます。
複数店舗の受注情報をひとつに集約したり、商品情報を一括登録できたりするのは大変便利ですね。
TEMPOSTARの詳細はこちら↓
定期購入へアップセルするための考え方
では、登録した定期商品をどうやって販売していくか。
んなわきゃありません。
知ってもらうための工夫
まずは知ってもらうことが必要です。
これは簡単。
ただ単に、目に触れるところにコンテンツを置けばいいだけです。
サイトのトップページバナー、商品ページのサイドバナー、同梱物などなど、、、お客さまとの接点を意識して、より効果的にコミュニケーションがとれるところを考えていきましょう。
申し込んでもらうための考え方
難しいのが、定期コースの魅力を理解して申し込んでもらうこと。
お客さまは基本的に、面倒なことが嫌いです。
「えっ定期?毎月届くの?めんどくさそう…」
「やめる時、解約の電話しなきゃいけないの?めんどくさそう…」
そのお店・商品のファン以外、ほとんどの方が思うはずです。
では、その障壁をどう乗り越えるか。
2つ、考え方があります。
一つが「いい商品だから長く、そしてできるだけオトクに続けたい」
と思ってもらう。
商品に魅力とメリットを感じてもらえれば、人は自然と続けて購入します。
この状態になると、店舗に対しての好感度は非常に高い状態。
自分の好きな服のブランドだったら、店員にオススメされたものはとりあえず試着してみる、みたいな経験ありますよね。
その状態になるまで、商品のことを気に入ってもらうことが大切です。
もう一つが、「せっかく買うのであれば、損したくない」
と、思わせること。
例えば、あなたは家族でランチをしていました。
食べ終わってさぁ帰るかとトイレにいくと、そこで2000円以上の支払いなら駐車場が無料になることを知ります。
現在1800円の支払い。
あとコーヒーを一杯頼めば、無料になる。
「そういえば、なんとなくコーヒーを飲みたい気分だったんだよな」
と自分を思い込ませて、コーヒーを注文する・・・。
似たような覚えはありませんか?
これは行動経済学で「損失回避の法則」と呼ばれるもの。
人は得をするよりも、損をした経験のほうが強烈に覚えているものなんだそうです。
「損失回避の法則」を使えば、相手の購買意欲をコントロールすることができます。
上述のものもそうですし、あとはポイントカードなんかはわかりやすいですね。
「溜まったポイントを使わないともったいない」
これも損失回避の法則を利用した、購買行動のコントロールです。
以前紹介した、行動経済学まんがヘンテコノミクスにも「損失回避の法則」などの販促に役立つ様々な法則が書かれていますので、興味がありましたらそちらもご覧ください。
定期購入へアップセルするための3つの施策
では上記2つの考え方を元に、楽天での定期購入を増やすためにした、具体的な方法をご紹介。
都度の商品ページに定期購入のカゴも入れる
概要
実は楽天の商品ページには、複数のカゴを設定することができます。
つまり同じURL内に、Aという商品とBという商品があるようなイメージ。
具体例で言うと、さくらの森 楽天市場店さんがやっていますね。
同じページ内にカゴを2つ置けるのを利用して、単品の下に定期のカゴを置けば露出を増やすことができます。
もちろんページ内リンクとして、定期の価格やシステムの説明を入れる必要はありますが。
ただこの機能、PC版だけでしか使えないんです。
スマホとアプリ版では、おとなしくバナーを貼って定期のページへ飛ばしましょう。
効果
これで何が起きるか。
お客さまが商品説明を読んで「買おうかな」と思ったとします。
その時、同じ商品がちょっと安く買えることを知る。
まずはこれくらいの認知でもオッケーとしましょう。
設定方法
①定期の商品ページを作成。
②カテゴリページ設定で商品名のカテゴリを登録「例:リンカイサプリ」
③商品ページ設定/商品個別編集(一覧表示)/(該当商品の)変更/「商品情報登録」表示先カテゴリに②で登録した名前を入れる。
④都度の商品と定期の商品どちらも③を行えば、同一ページに表示される。
同梱物で定期をオススメする
概要
お客さまはそもそも「定期購入がお得なこと」「定期購入があること」自体を知りません。
では、どのように告知するか。
なるべくコストをかけず、見込み客だけに届けるには通常商品への同梱がベスト。
通販を注文して箱を開けると、お手紙とかチラシが入ってますよね。
あれです。
制作
チラシの制作、となればデザイナーの出番。
でもちょっと待って!
大事なポイントを押さえてから制作にかかりましょう。
定期引き上げの同梱チラシで大事なのは、ズバリ「オファー」です。
用語解説:オファー
提案・申し出の意。
転じて、ダイレクトマーケティングの世界においては「今ここで買ってもらうための、他との差別化された特典」のこと。
「無料お試し」「送料無料」「返金保証」「今ならプレゼント!」などが当てはまる。
使用例「あの施策、ちょっとオファー弱いからCVR低かったね」
楽天の定期購入で最大のオファーは「購入回数の縛りがない」こと。
会社の独自ドメインでやっている公式店舗でも、定期購入には3回継続の縛りがあります。
用語解説:独自ドメイン
自分の好きな名前で取得したサイトのURLのこと。
転じて「楽天・yahoo・Amazon・Wowma・Qoo10」などの、いわゆるモールではないネットショップのことも独自ドメイン(ショップ)と呼んだりする。
費用や手間がかかる代わりに、検索に強いという側面もある。
使用例「今月は独自ドメインからの売り上げがよかったね」
楽天の定期購入は「割引価格で買えるのに、2回目以降も買う義務はない」システムということ。
メッチャお得感ありますよね。
むしろ先程の「損失回避の法則」で言うならば、「定期購入じゃなく普通に買うと損をしそう」な感じです。
そこを攻めましょう。
プラス、もうひと押しとして「ポイント10倍」「ポイントプレゼント」「クーポンプレゼント」などをつけるのも有効です。
人によっては、こちらのほうが響くかもしれません。
ABテストで引き上げ率を比較してみるのもいいかもしれませんね。
用語解説:ABテスト
クリエイティブの原稿を2パターン用意して、どちらのほうがCTR・CVRが高いか測る方法。
スプリットラン(テスト)とも。
通常はファーストビューや画像などのイメージ部分、またはボタンや価格などのCTA部分のA・Bパターンを用意することが多い。
たまに細かいあしらいを変えただけのクリエイティブを用意させる代理店もあるが、あれは単純に原稿数を増やして利幅を増・・・ゲフンゲフン
あと、定期のカテゴリページや、後述する定期のおすすめコンテンツへのQRコードやURLを貼るのも重要。
イメージとしてはこんな感じですかね。
ちょっと雑なラフですが(笑)
ちなみに、印刷はグラフィックやラクスルなどの格安印刷通販を使いましょう。
A5のコート90kg、1万部、4c/4c、10日納期で19,170円。
単価で言うと1.9円。
安いですねー。
効果
これを同梱すれば、「あっこんなお得なのがあるんだな。じゃあ次買うときは定期にしよう」くらいの認知まではもっていけます。
「すぐに定期にアップセルできるんじゃないか」って?
いえいえ、そんな甘いものではありません。
ここまでやっても多少認知度が上がるだけです。
さて、最後の1つも見ていきましょう。
サイト内に定期のコンテンツを作る
概要
お客さまは商品を購入するときに、意外と店舗トップを見ます。
「このお店怪しくないかな・・・」
「ちゃんと届くかな・・・」
「どんなお店なんだろうな・・・」
そんなことを思いながら、基本的には疑いの眼差しで見ています。
そのタイミングを利用して、サイドバナーから定期への説明のコンテンツに飛ばしましょう。
そして、
「定期購入はどういうものか」
「どんなメリットがあるのか」
「なぜ定期購入という制度を作っているか」
「この商品を通して、どうなってほしいか」
というのを「最大限」伝えましょう。
アンファーストアさんがわかりやすくて上手です。
参考にしてみてください。
リンカイ、またはコンカイのまとめ
定期購入を2年間で500%にした、3つの施策についてご紹介しました。
少しの手間で、大きく売り上げは変わってきます。
もちろん、この3つの施策だけで定期の売上を作ったわけではありません。
スーパーセール、スーパーDEAL、お買い物マラソンなどの大きなセールで広告を打ち、露出を増やす必要があります。
RMSの店舗カルテにもあるように、売上を上げるには「アクセス人数」×「転換率」×「客単価」のかけあわせが必要です。
全ての施策がうまく合致した時に、売上という目に見える成果が現れるのだと思います。
定期購入で売上の基礎を作り、新商品で新しいチャレンジをしていきましょう!
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