うちの会社は組織編成がちゃんとしていない!
言われたことしかやらない部下が多すぎる!
社員のモチベーションが低くて…
会社にいると、様々な不満が生まれます。そこで、もういいや!と言って諦めたり辞めてしまうのは簡単です。
しかし、ここで立ち向かうことが人間としての価値を上げるのでは?と僕は考えます。そこで、「不満があるなら自ら変えよ」という信念に基づき、勝手に様々な仕組みを考え実践してきました。
そうこうしているうちに、今期からインナーブランディングチームが組織図にも載るようになったので、やっぱり継続は大事ですねぇ。
デザイナー兼コーチ担当兼CRM責任者兼インナーブランディング責任者…担当範囲広すぎ問題
今回は、なぜインナーブランディングをやる必要があるのか、どうやって始めたらいいのかを僕なりの考え方で見ていきます。
そもそも、なぜ組織デザインをするべきか
なぜ人は組織を作り、仕事をするのか。
理由は人によって色々ありますが、僕が考える一番の理由は「小さな労力で大きな効果を生むために、人数が多い方が融通がきくから」です。
仕事範囲のカバーも、集中力も、スピードも、1人で行なうより仕組みを作って複数人で行うほうが効率的です。あとはまあ純粋に、一人風邪引いたら回らなくなる組織ってバカみたいですからね。
では、その仕組みをどう作るか。もっと言えば「どうやったらチームメンバーそれぞれが能動的に動く、自走した組織になるか」が重要です。
強い組織とは
VUCAな時代において、ビジネスは局地戦となっています。
※VUCA=Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)の頭文字から取ったもの
今までなら、軍本部から伝令を受けた各小隊が命令を遂行していれば戦には勝てました。
しかし、今くらいスピード感のある時代では本部からの伝令を待つ時間はありません。稟議上げて、会議して、関係各所の合意とって….そんなことしている内にライバルに寝首をかかれて死にますよね。
だからメンバーに求められるのは「戦略を理解し、命令がなくても自らの判断で動くことができる」というスキルだと思います。
誰か忘れましたが、それを「ゲリラ戦」と例えていました。パラシュートで敵陣に降り立ち、指令系統が無い中で最善策を講じて実行し、味方の陣に戻る。
僕のイメージで一番近いのは「忍者」です。
もしくはハンターハンターでいうクモ(幻影旅団)。
クロロかっけえ
目的完遂のために、その時々での最適解を出し、自らをモチベートして行動することができる。
そんなチームができれば、どんな業界・どんな職種であろうと戦っていけると思うのです。
僕が組織づくりで行ってきたこと
では、どうやったらそんなチームを作ることができるのか。
それはわかりません
わからんのかーい
色々な人に相談しましたが、たけてつ(@taketetsu1982)さんは「元々ビジョンに共鳴して入ってきた人は、そもそもエンゲージメントが高い」と言っていました。たけてつさんの所属するアトラエさんでは、入社面談の際にスキルや業務内容よりもビジョンの共感性を重視するそうです。
しかし、エンゲージメントが低いからという理由で社員をクビにするわけにはいけません。
そもそも共感性が低い社員のエンゲージメントを高めることはできないのだろうか?と思い、始めたのがこれらの施策です。
順に見ていきます。
ビジョン・ミッション・バリューの策定
まず会社としての方向性が定まっていないと、一定のメンバー数を超えた時に揉めます。
サッカーの部活で例えると、わかりやすいです。
インターハイ優勝を目指している監督と、地区大会一回戦突破を目指してる部員A君。そして、ただなんとなくサッカーが好きだから、仲良い奴がサッカー部だから、モテそうだから、くらいのモチベーションしかない、その他大勢の部員がいるとします。
監督とA君はモチベーションが高いので、すごい練習します。しかし、その他の部員は何のために練習するか、という動機付けがありません。
すると、まず「監督&A君vsその他」という構図で揉めます。
ここまでは簡単に想像できますよね。
しかし、さらに「その他の部員」間でも揉めることがあります。それは、皆の見ている方向が「目標」ではなく、メンバーになっているから。
アイツはまじめに練習してない
アイツは俺より学年上なのに
ライバルは「他校のチーム」なのに、どうしても隣のメンバーの挙動を追ってしまう。ムラ社会の名残なんでしょうかね。
なので、最初にきっちりと目標設定をしてあげることが大事。それがこのビジョン・ミッション・バリューなのです。
これはトップダウンよりも、一定人数で話し合いながら決めるほうが良いです。なぜなら、話し合ってるうちに自分ごとにできるから。
詳しくは青山学院大学駅伝部の監督の講演について書いた、こちらの記事で。
ワークショップの開催
昨日は第2回目の社内ワークショップ!
メンバーのエンゲージメントを高めるために、自己開示をしよう!という内容。
匿名アンケートで、普段は聞けないあんなことやこんなことをみんなに聞いてみました。
いやー面白かった!メンバーの意外な事実を知れました。#ワークショップ pic.twitter.com/lkmW3umP7I— ヤマダカイト@通販戦略デザイナー (@slash_kaito) 2019年1月25日
ワークショップに関しては何度か開催しました。毎度、設計に悩みます….。しかも直近では2名しか来てくれなかったので(笑)
少し腹も立ちましたが、人のせいにしても始まりません。
失敗の一つとして改善していくのみです。
「そもそもワークショップなんて文化が社内に無いし・・・どうやって始めたらいいかもわからない」という方はこちらをご参照ください。
推薦書の紹介
社内にある本が誰にも読まれていないので、ヴィレッジバンガードや本屋のようにPOPを作って貼っています。
今日のオススメ本。社内の人たちがもっと良書に触れますように・・・!
先日の「ヤフーの1on1」はいつの間にかなくなってたので、誰か読んでくれたのかな。嬉しい(^O^)#社内手書きPOP #オススメ本 #ブランディング #くまモン #水野学 pic.twitter.com/zzw216xjC3
— ヤマダカイト@通販戦略デザイナー (@slash_kaito) 2019年1月23日
今週の社内向けオススメ本の手書きPOP。時間がなくて雑になってしまっている。。。イラストなくても刺さる人には刺さるハズ!#手書きPOP #社内向けオススメ本 #DeNA #南場智子 氏 #不格好経営 pic.twitter.com/vm4dPH6cKh
— ヤマダカイト@通販戦略デザイナー (@slash_kaito) 2019年2月12日
【今週の手書きPOP】
今イチバン激アツの本
全ての働く人に読んで欲しくて、会社でみんなにオススメしたけどまだ社長しか読んでくれてない…
ケンはイメージです
詳細はこちらhttps://t.co/jUC0D8qO0C#手書きPOP #北野唯我 氏 #天才を殺す凡人 #テンコロ pic.twitter.com/3qIYhxr94A
— ヤマダカイト@通販戦略デザイナー (@slash_kaito) 2019年3月13日
社長や僕が寄贈した、ビジネスマン必読の本がたくさんあります。そもそも社内の人本読まなすぎ問題….。
僕は昔から読書習慣(小学生の時のソフィーの世界に始まり、村上春樹、谷崎潤一郎、京極夏彦、今邑彩、西尾維新etc…)がありましたが、普通の人ってあんまり本読む習慣ないんですかね?
ビジネス本は、自分のやったことを振り返ったり答え合わせする読み方がオススメ。
EQテストの導入
たまたま友人にEQ(心の知能指数)テストとセミナーを実施している会社の社員がいまして。その縁で実施しました。決して強制ではなく、しかも休日開催でしたがほとんどの社員が参加。
「自分がどんな人間か」を見つめ直すことで、仕事の進め方や周りと協調する方法を知ることができました。
ストレングスファインダーと合わせて受けると、より深く自己理解ができそうです。
朝礼の実施
廃止されていた朝礼を再開するよう働きかけました。
仕事ってやっぱり、どこまでいっても人と人とのコミュニケーション。朝、顔を見合わせて話をすることはやっぱり大事ですね。
今では、昨日の成果とかも発表したりして「ワ~!パチパチパチ!」みたいな雰囲気でいい感じだと思います。
BBQの実施
夏なのでBBQを企画しました。遊びのようでいて、これも仕事のモチベーションで挑んでます。
普段話さない他部署の若手と話すきっかけになったり、知らない一部が見えたり。
みんなにとっても、コミュニケーションのきっかけになったと思います。
勉強会の実施
商品勉強会がなかったので立ち上げました。
が、デザイナーの僕としてはコールセンターの人たちからのペルソナやカスタマージャーニーのフィードバックが欲しかったんですが、びっくりするくらい意見が出なくて。
メリットを感じなかったので、別の人間に引き継ぎました。ただ先日久しぶりに出てみたら、ネットで拾ったテキストを読み上げるだけの「実況中継状態」だったので、スゲー口出ししました。
FYIの設置
弊社は社内チャットにスカイプを使っています。そこに「FYI」という、参考になったサイト・面白い情報・ためになる情報を共有するためのグループを作りました。
例えば、業界の最新ニュースだったりマーケティング理論だったり、デザイン制作にあたっての手法だったり。「FYI」は「For Your Information」の略で、「ちなみに」という意味です。
こちらも不定期ですが投稿して、徐々に他の人も投稿してくれるようになったりと「知の集合体」になりつつあります。
1on1
毎週30分ほど1on1で話を聞くようにしています。
自分にとってマネジメントが大部分の仕事というわけではないので、ごく少数ですが。
「自分が話すのは3割くらい。相手にたくさん話をさせるように」とよく言われますが、気をつけないと結構話しちゃいますよね。。。勉強中です。
不定期でオープンする社内BAR
先日アトラエさんに遊びに行かせてもらい、社内にBARがあるのを見て「なんて素晴らしいコミュニケーションの場なんだ!」と思い、設置した次第です。
仕事の話から、将来の夢、人間関係の悩み、恋愛の話までバーマスターのヤマダが何でも聴きます。社内コミュニケーションが活性化したらいいなぁ。
勉強会の場にしてもいいかも。
最終的に6人くらいが入れ替わり立ち替わり来てくれました pic.twitter.com/wiUjgNWjqZ
— ヤマダカイト@通販戦略デザイナー (@slash_kaito) 2019年7月8日
先日初めて開催しましたが、6人くらいの人が入れ替わりで参加してくれて楽しかったです。
なにより、一杯飲んでススス….って帰れるっていいよね。お金かからないし。
本当はバーカウンターが欲しいんだよなぁ。でも置くところがない….。
インナーブランディングを行う際の悩み
さて、インナーブランディングの施策について見てきました。しかし、いざやってみるとわかるんですけど、上手くいかないことのほうが多んですよね・・・。
僕が直近でぶち当たった悩みを、自分で解決するスタイルで書いていきます。
何から始めればいいのか、わからないんですが….
まずは現状の把握が必要です。
今、組織はどういう状態なのか。そしてどこを目指しているのか。目標に対して、どのような課題があるのか。
僕の場合で言えば、「会社の売り上げを上げる」ために「強いチームを作る」。そのために、社員それぞれが鍛えなくてはならないのが「コミュニケーション力」と「目的意識」そして「学びつづける力」の3つです。
これらが身につくような活動を主に行なっています。
例えば、BARや朝礼は「コミュニケーション力」のためですし、EQやワークショップは「目的意識」のため、FYIや推薦図書、勉強会などは「学びつづける力」を醸成するためです。
社内で起きている問題の根本原因を考えて、そこからブレイクダウンして施策に落とし込んでいきましょう。
色々やっても効果が出ないです…..
効果の実感には最低半年以上かかると色々な方に言われます。上記の現状把握と根本原因の発見から始め、これと決めたらやり続けましょう。
会社のビジョン、方向性、バリュー、考え方、などをことあるごとに共有するのも効果的です。会社のコンテクストやストーリーを共有して共感できると、インナーブランディングはブーストがかかります。
周りのスタッフとの意識や危機感が違いすぎて、諦めようかと思ってる….
最終、自分の感情との戦いだと思います。僕も幾度となく凹んで、その度に周りの人間に救われてきました。
もう一押し足りないだけな人、意外と多いんだな!と思いました
あと、もしお一人でやっているようなら、協力者がいるとメンタル面がだいぶ救われます…!
私も環境によっては上手くいかないこともあったので、気軽に頑張ってとは言えないのですが、その行動力はステキなことなので応援してます
— スズキアユミ designer (@ayumidesign) 2019年6月13日
ちょっと悲しいですね。
宜しければ、弊社のバーで話を聞かせてもらえませんか?
組織の事で何かお力添えできればと思いまして。— たけてつ | wevoxはvだよ!voiceのv! (@taketetsu1982) 2019年6月13日
いきなり全員の意識が変わることはありません。まずは、一人のフォロワーを見つけましょう。リーダーシップのあるあなたにとって、なによりも大事なのはフォロワーシップです。
たけてつさんに教えてもらった、こちらのTED動画が参考になるでしょう。
しかも一度失敗するたびに、あなたのマネジメント力はグングン伸びてるはずです。失敗したら別の方法で再チャレンジすればいいだけ。諦めなければ試合終了じゃないんです。道は続く。
インナーブランディングのまとめ
インナーブランディングの方法や悩みについて見てきました。
今さらですけど、これ別に全然やりたいことじゃないんですよね。ただ誰に言われたわけでもなく、自発的にやってることなんで責任感持ってやっていますが。
だってさ、自分の会社って家より長くいる空間じゃない?そこの雰囲気や進んでいく方向性があやふやだったらイヤでしょ。
誰もやらないからやってるだけなんですよね。社内でも勘違いされてるんですが。
誰かが会社を良くしてくれるのを、王子様を夢見る生娘のようにただ待ってるだけなの?
逆に言えば、あなたの会社で誰もやってなかったらチャンス。積極的に手を上げることで、社内の経営の一部に参画できます。あと一段上の視座や、マネジメントスキルなどなど、手に入るメリットは大きいです。
全員を一斉に変えることはできないから一人ずつ。僕も引き続き、頑張っていきます。
こんな施策したよ!とか、こんな悩みがあって・・・というお悩みがあったらTwitter(@slash_kaito)やコメントで教えてください。
先日のPxTXもチームビルディングの学びが深かったから書きたいな・・・時間が許せば。
ボドゲめちゃ面白いぞ….!これは買う。#PxTX pic.twitter.com/OCjuvRoX55
— ヤマダカイト@通販戦略デザイナー (@slash_kaito) 2019年7月5日
それではまた!
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