「部下や後輩の教育をしてるけど、全然思い通りに行かない….」
「期待通りに育ってくれない」
子供の教育も難しいですが、大人の教育も難しいものです。「俺はちゃんと教えているのに、ちゃんとできないのはアイツが悪い!」とか思っちゃいますよね。
でもその考えは即座に捨てましょう。
はっきりと断言します。
部下や後輩が育たないのは、あなたのマネジメント能力の問題です!(耳が痛い…)
人は必ず成長する生き物です。成長できないのは、成長するための「やり方」を教えてあげられていないから。逆に、そこさえ教えてあげれば、あとは勝手に成長してくれると僕は思うのです。
では、どのように「やり方」を教えてあげればよいか。
ざっくりいうと、「信頼関係を構築する」「任せる」「目標と課題を見つける」の3つです。
それではまいりましょう!
まず部下との信頼関係を構築する
指導方法うんぬんの前に、これが一番大事だと思います。
部下だって上司だって同じ人間。よく知らない人間のいうことなんて、誰だって聞かないですよね?それが例え上司だったとしても。
しかも部下のポジションにいる人は立場上、どうしても萎縮してしまいがち。なにか質問する時も「こんなこと聞いたら、なんて言われるかな…やっぱり変に思われそうだし、聞くのやめよ…」となってしまったら、業務上支障が出るのは当然です。
では、なんでも聞けるような関係性を部下と構築するにはどうしたらいいのでしょうか。
心理的安全性の確保
まずは「この人は大丈夫、安心できる、頼れる、話せる」と思ってもらうことが大事。
これを「心理的安全性の確保」と言います。グーグルが「チームを成功に導く5つのカギ」のひとつとして発表し、話題を集めました。
「いや、わかるけども。でも、そんなんどうやってやんねん。そんなん簡単にでけへんわい」と思いますよね?
部下と信頼関係を構築する、具体的な4つのステップ
実はそんなに難しいことじゃないんです。具体的な方法は、あいさつをしっかりする、自分から話しかける、自己開示をする、話を聞く。この4つのステップです。
ステップ1、全ての基本あいさつです。
ステップ2、自分から話しかける。
よほど変な絡み方じゃない限り、話しかけられて嫌がる人はいません。とにかく自分から話しかけましょう。天気の話、テレビの話、休日にあった話…内容自体は何でもOK。というかほとんどの雑談において、内容自体にはさほど意味はありません。
ステップ3、自己開示をする。
「私は休日こんなことをしてて、こんなことに興味があって、仕事に対して会社に対してこう考えているんだよね」
これで、あなたという人間のアウトラインは理解してもらえました。
最後、ステップ4。
質問をして話を聞く。人間は、基本的に自分を理解してもらいたい生き物です。集団動物ですから、話を聞いてもらい、認めてもらい、輪に入れてほしいんですね。
その本能を利用するんです。
言うなれば、ステップ1〜3はあくまで相手が話をしやすくするためのお膳立て。前菜です。相手が自分の話をし始めたら、すかさず相槌ロボットと化します。
大事なのは話をさえぎらず、しっかりと最後まで聞くこと。そうすることで、「この人は私のどんな話でも、しっかり最後まで聞いてくれる」と思ってもらえます。心理的安全性ゲットです。
これを「傾聴」と言います。
漫画で詳しく書いているので、こちらの本がわかりやすいでしょう。
あなたが男性ならよく分かると思いますが、女性を口説くときに自分の話ばかりしていても女性はあなたになびきませんよね?女性は特に自分の話を聞いてもらいたい生き物。しっかり話を聞くことで「あぁ、この人は自分のことを理解してくれている」と思い、信頼するのです。
女性を口説く方法については、こちらのマンガがめちゃくちゃ参考になります。
あまりモテない主人公が彼女に振られたことをきっかけに、モテマスターに恋愛工学を習いながら実践していくというストーリー。この恋愛工学が実生活でもかなり使えます。結婚前に知りたかった〜(切実)
Kindle UnlimitedというAmazonの本読み放題サービスなら1巻だけ無料で読めるのでぜひ。初回30日間は無料で登録できます。
話は戻りますが、女性に限らず男性が相手でも基本は同じで、しっかり話を聞くことです。男性の場合、若干のプライドをにじませてくるので、そこに注意しながらやってみましょう。
基本的にやり方は任せる
信頼関係というベースはできた。じゃあいざ実務になったときはどうしたらいいのでしょうか?
基本は山本五十六大先生の「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ・・・」でいいと思います。やっているところを見せて、言葉で説明し、次は自分でさせて、できたら褒めてやる、という方法です。
山本五十六とは
日本の海軍軍人。太平洋戦争時には連合艦隊司令長官を務め、真珠湾攻撃を指揮。「やってみせ」や「男の修行」などの名言を多く残す。
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。
話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず」
基本のやり方を教えたら、あとは自分でやり方を改善していってもいいし、色々試してみてほしい。それがデザイナーという職業を選んだ人間の責務だとも思います。
イメージでいうと、0がスタートで10がゴールだとしたら1、5、10はチェックするけど他は自由にさせる。
15まで行っちゃってもいいし、2″や3a、3bと派生してもいい。納期までに10まで進められれば、という感じです。
あまりにも進んでなくて納期直前に「まだ3までしか進んでなくて….」となったら困るので、一応5もチェックするみたいな感じです。信頼できる相手なら5もチェックしなくていいですけどね。
介入しすぎると、人はやる気を失う
これだけは言えるのが、1でチェック、2でチェック、3でもチェック….としていたら、部下のやる気は間違いなく低くなります。
当たり前ですよね。
仕事が面白いのって「自分で工夫する余地があるから」なんです。工夫次第で上手になったり失敗したり。
自分でやるからこそ、成功した時の達成感もあるのです。その余白を奪ってしまったら、「俺がやる意味ある?ロボットに任せろや!」ってなりますもん。
学生時代、オカンに言われる「勉強したの?宿題は?部屋の掃除はやったの?ご飯食べなさい!風呂入りなさい!早く寝なさい!!!」みたいなもんですよね(笑)確実にウザがられますので、決してそんな上司にはなりませぬよう…。自戒も込めて。
壁マネジメントによって、やってほしくない行動に壁を作る
でも「あまりにも放置していたら間違った方向に進んじゃうんじゃないの?」
と思いますよね。そんなあなたにオススメなのが『壁マネジメント』。
壁マネジメントは山北陽平氏の著作「結果を出すリーダーほど動かない」に書かれている、進んでほしくない行動の流れを上司が壁となり塞き止めるという方法です。
壁マネジメントについては詳しくはこちらから。
9割のマネジャーが部下・組織の行動を変えた「壁マネジメント」とは
本も合わせて読むと、より理解しやすいです。
目標と課題を見つけさせる
ここまで上司側からの接し方についてご説明してきましたが、結局のところ実行するのは部下自身。つまり部下のモチベーションが高い状態でないと、接し方がどうであれ部下の成長はありません。
では、部下のモチベーションをどうやって上げていくか、という問題ですがこれが一番難しい….。
僕が今実践しているのが、本人が何を望んでこの会社に入り、どうなっていきたいかという目標と課題を常に意識させる方法です。
目標の立て方について、詳しくは「人生を変える一歩に!目標の立て方と日々の行動に落とし込む方法」から。
まとめ。必要なのはコミュニケーション=ザツダン
「信頼関係を構築する」「任せる」「目標と課題を見つける」の3つによる部下のマネジメント方法を見てきました。
とはいえ一番のベースになるのは、フェイスtoフェイスのコミュニケーション。面と向かって話を聞くことで、メンバー一人一人の個性・やりたいこと・考え方などが見えてきます。
一週間のスケジュールのうち、ほとんどを社員との会話にあてたサイボウズ副社長
サイボウズ山田修副社長はサイボウズ社の離職率が28%だった時に、週のほとんどを社員の話を聞くことに充てていたそうです。
それも会議室で行なう面談というよりは、雑談と面談の中間(山田副社長は「ザツダン」と読んでいました)といった具合です。
これにより、社員のエンゲージメントは高まり離職率は4%まで下がったようです。
今では「一人一人に合った働き方を」というモットーを掲げ、リモートワークや副業、ダブルワークなど様々な働き方を推進しています。
急に山田副社長のようにザツダンばかりしていたら上に怒られるのでやめた方がいいですが、しっかりコミュニケーションを取っていきましょう。
ここまでご覧いただきありがとうございました。僕自身もマネジメントに関しては勉強中・実践中なので、あまり深い内容はお伝えできませんでしたが参考になれば幸いです。
今回ご紹介した本はこちら。
それではまた!
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