中途未経験の方がデザイナーを目指す時に、一番の壁となるポートフォリオの作り方をご紹介。
中途未経験からデザイナーを目指してるけど、ポートフォリオをどうやって作ったら良いかわからなくて・・・
どうも!通販デザイナーのヤマダカイト(@slash_kaito)です。今回は中途未経験の方向けに、ポートフォリオの作り方を解説していきます!
今回の記事を読むことで、
- デザイナーにとってのポートフォリオとは?
- ポートフォリオの作り方
- ポートフォリオを作るためのWebサービス
- ポートフォリオに入れる作品はどんなものがいい?
- ポートフォリオ作りの参考事例はどこで見られる?
といったことがわかります。それでは参りましょう!
グラフィックデザイナーにとってのポートフォリオとは
ポートフォリオとは自分の作品をまとめて、相手に伝えやすくするためのもの。つまり「作品集」ですね。
それを見て、企業が求めるスキルを持った人材かどうか、仕事を依頼するかどうかを判断したりします。
転職活動する時に、ポートフォリオって絶対必要?
デザイナーとして求人に応募するなら、どんなに下手でもどんなに自信がなくても構いません。
必ずポートフォリオは用意しましょう。
ポートフォリオのない応募はその時点でハネられるか、良い印象は与えません。求人を出す側の気持ちを考えれば当然ですよね。
デザイナーは実力がものを言う世界。どれくらいの実力があるかわからないのに「この人はいいデザインをしそうだから雇おう」とは思いません。
「私はこれだけのスキルがある!どうだ!採用したいだろう!えーおい!」と高らかに胸を張るくらいの気持ちで、一番自信のある作品を出しましょう。
中途未経験のポートフォリオの作り方
細かい仕様の話は、デザインメモさんの「デザイナーになった私の就活ポートフォリオの作り方」に詳しく書かれています。
製本かファイリングなのか、サイズは、作品数は、作るコツは、、、などなど、
めっちゃ細かく書かれているので「これからポートフォリオを始めて作るよ」という人は一度目を通しておきましょう。
記事中にあるように、ピンタレストで人のポートフォリオ実例を見たりするのもいいですね。
デザインメモの中の人、スズキアユミさん@ayumidesignの実際のポートフォリオもあって参考になります。
ポートフォリオが作れるWebサービス
webデザイナーを目指すのであれば、ポートフォリオサイトも作っておきたいところです。
紙ベースでは見れないHTMLやCSSの書き方も見ることができると「この人はこういうコードを書くんだな」「インデントなども丁寧に揃える几帳面屋さんだな」など、ある程度どんな仕事をする人か、というのが企業側にもわかるので。
RESUME(レジュメ)
ポートフォリオサイトを簡単に作るなら、「サルワカ」やWordpressテーマ「SANGO」で有名なCatNose(@catnose99)さんのサービス「RESUME」が簡単です。
これまで自分が生み出してきたあらゆるものに、ストーリーを紐づけて掲載できるポートフォリオ作成サービスです。作品ごとに鍵をかけて非公開にすることも可能。
サルでもワカる、直感的なUIはさすが。ノーストレスでポートフォリオを作れるはず。
ポートフォリオに入れる作品の作り方
しかし「そもそも未経験なんだからポートフォリオなんかないよ!」という方もいるでしょう。
そんな中途未経験でデザイナーを目指す方のための、ポートフォリオの作り方をご紹介します。
① 空想で広告を作ってみる
アレコレ考えるよりも、まずはとにかくやってみる!これが一番です。
例えば、「ポカリスエットのパッケージが変わりました。その告知をするチラシ、ポスターを作成してください」という依頼があったと仮定して、実際に作ってみましょう。
全然イメージが湧かん!という人は、もっと簡単でもいいと思います。
「ライザップの低糖質ラーメンのバナーを作ってください。サイズは300×300で、商品名、キャッチコピー、価格、誘導のボタンは必ず入れてください」とか。お題は何でもいいんです。
「考えて、作る」この行為自体がトレーニングになる上、ポートフォリオにもなります。一石二鳥。1粒で2度おいしい。
その際、必ず「どういったターゲットに、どのような手法で、どういうアクションを起こさせるか」という目的を意識して作り、ポートフォリオにも意図や考えを記載しましょう。
なぜなら企業が最も欲しい人材は、「考えてデザインできる人」だからです。考えないデザイナーはDTPオペレーターと一緒。ピラミッド作りで例えると、石を運ぶだけの人です。ピラミッドの設計図も書きながら、石も運べる人になれば、できることも給料もそれに比例して増えていきます。
給料を上げる方法について詳しくはこちらの記事で。
② 友人に依頼をもらう
ポートフォリオは、できればクライアントがいる制作物がベスト。というのは、仕事におけるデザインには必ず依頼者がいるからです。自分一人で作ったものは、誰かの目に触れることがないので自分本位なものになりがち。さらに細かいチェックもされないため、詰めの甘さがどうしても出ます。
だからまずは「仕事させて!」と言いやすい友人や知り合いに声をかけてみましょう。お店をやっている人・フリーランス・会社経営している友人、サークル運営・町内会・PTAなどなど。
以前書いた「デザイナーが副業をするうえで大切な3つのこと」の「仕事を探すためにしたこと」の項でも書きましたが、アピールすることで何かしらのご縁はあるものです。
様々な業種の人と触れ合って、日頃からネットワークを広げておくのも大事ですね。
③ Cocoda!で日々トレーニングする
UIデザインに限りますが、Cocodaは架空のお題に取り組むことで情報設計力やデザイン力を身につけることができます。1でお伝えした「空想で広告を作る」のUIデザイン版ですね。自分でお題を考える必要がないので、制作に集中することができます。
また、DailyCocoda!といって毎日手軽に取り組めるお題や、ステップ・バイ・ステップで基礎からデザイン練習できたり、実際の企業からの依頼に取り組むこともできます。
応募する企業に合わせて、ポートフォリオを最適化しよう
難しい書き方をしましたが、要は「企業が求めるスキルに寄り添うように、作品を変えようね」ということです。
例えば、web案件ばっかり扱っている企業の求人に対して「自分はデッサンが得意だから、石膏像のデッサンを最初にデーンと持ってこよう!」という感じでポートフォリオを作っても、恐らく通りませんよね。
極端に言うとそういうことです。
つまり、募集要項やコーポレートサイトに書いている案件や、クライアントにマッチするものをメインにポートフォリオを作成するほうが、採用率は上がります。
具体的に言うと、化粧品の紙媒体を多く扱っているところであれば、店頭用POP、DM、チラシなどの制作実例があるといいです。
さらに言えば、化粧箱やボトルのデザイン、化粧品と背景の合成作品などもあるとモアベター。さらに採用率が上がります。
でもそんな仕事したことないよ!という方も、上記の「空想で広告を作ってみる」でOK。
資生堂マキアージュでも、カネボウでもなんでもいいので、お好きな化粧品の広告を作ってみましょう。
なぜなら実際の仕事ではなくとも、「やる気」と「向上心」が実際に目に見えてわかるので、採用担当者の気持ちを掴むことができます。
あとは面接で「なぜこの仕事をしたいのか」「この仕事を自分がすることで、何を御社に与えられるか」をしっかり伝えましょう。
面接については「【中途未経験からグラフィックデザイナーになる方法】vol.4 面接編」にて。
ポートフォリオはあなたの分身。独り歩きしても伝わるように(2018.3.13.追記)
デザインはなんでもそうですが、わざわざ言葉を尽くして語ることがないくらいに雄弁でなければなりません。
ポスターにしろ、ウェブサイトにしろ、ランディングページにしろ、消費者が見るのは一瞬です。
一瞬で自分にとって必要かどうかをジャッジします。
そして自分にとって無価値だと判断したら、もう見ることはありません。
ポートフォリオも同じです。
見る人にとって、「わかりやすく・有益で・引っ掛かりを感じる」ように作りましょう。
僕が今、ポートフォリオを作るとしたら、作品の出来はともかくとして、タイトルの付け方・数値による指標・思考プロセスを重視して作ると思います。
具体的にこういう感じ。
要は「私はビジネスを理解しており、その目標数値を上げるために、思考をめぐらしてデザインすることができます」というのが伝わるように、ということです。
なかなか紙媒体だけだと、数値化しにくい部分もあるでしょうが。
それでもクライアントの課題解決に対して、どのように認識してそれをどうやってデザインで解決したか、というのを書くだけでかなり印象は変わります。
普段あまり意識していない、という方は意識してみましょう。
そして、上記のように詳細に書くことで、まだ顔を見ていない状態でもその人がどんな考え方をする人なのかがわかります。
これが「ポートフォリオが独り歩きする状態」です。
ポートフォリオを見た人は、あなたがどういう考え方で仕事に取り組む人か、既にイメージできているでしょう。
そうなれば面接の際も有利です。
ゼロから手探りの状態でその人を知ろうとするよりも、ある程度「人とナリ」をイメージできていたほうが話が弾みそうなのは、何となくわかりますよね。
ビジネスには目的と目標があり、それを実現するための戦略・作戦・戦術があります。
人生も一緒ですね。
わかるなー。
自分で課題を見つけて解決できるデザイナーは本当に少ない。
逆に上手にビジュアル作れる人は多すぎて立ち向かえない💦 https://t.co/ZYwQij4fpO— ヤマダ カイト@デザイン/ブログ/副業 (@slash_kaito) 2018年5月2日
「ビジネスへの理解」という、中途未経験ならではの武器を駆使しよう(2018.5.27.追記)
あなたが中途未経験で、これまでに別の職種に就いていたならば逆にチャンス。
なぜなら、これまでの仕事経験を活かすことで「あなただけのオリジナルなデザイン」が生まれるからです。
上でも少し書きましたが、大事なことなので改めて。
「私はビジネスを理解しており、その目標数値を上げるために、思考をめぐらしてデザインすることができます」というのは、新卒でデザイナーになった人が持ちにくい感覚です。
例えばLP(ランディングページ)の制作には、デザインだけでなく「誰に・何を・どのように」などの情報設計が重要です。
営業マンの方であれば、身体に染み付いた「切り返し・クロージング」などのトークスキルが必ず役に立ちます。
また、マーケターの方であればペルソナの設定、各種数値の分析などのスキルを使える場面が多くあります。
自分でラフを書かないデザイナーには関係ないかもしれませんが、「将来アートディレクターを目指している」「フリーでやりたい」「ブランディングなどの、もっと上流工程から携わりたい」と思っている方には必須のスキルだと思います。
元バンドマンなら音楽を好きな人が好むデザインがわかるでしょうし、コンビニで働いていた人は色々なパッケージのデザインを見る機会が多いはず。
そういった感覚は、中途未経験のあなたならではのもの。
現時点での自分だけの経験や知識を総動員して、ポートフォリオを作っていきましょう。
ポートフォリオの実例を参考に
最後に、ポートフォリオの実例集をご紹介します。
様々な人の様々な世界観を参考にして、自分だけのポートフォリオを作りましょう。
美大芸大就活ナビ
美大芸大就活ナビに登録している学生の中から、イケてるポートフォリオを厳選して紹介しています。かなりコンセプチュアルに作られている作品もあり、思わずムムムと唸ってしまうこと間違い無し。
ポートフォリオのコンテンツは下記から。
ご存知ピンタレスト。「ポートフォリオ」で検索すればたくさんのポートフォリオを見ることができます。「ポートフォリオ デザイン」「ポートフォリオ 参考」などキーワードを変えて検索してみてもいいかもしれません。
はたらくビビビット(2018年5月25日追記)
ビビビットはポートフォリオを掲載して企業からオファーをもらえる転職エージェントとしての機能もあるため、とにかくクオリティの高いポートフォリオが揃っています。
それぞれの製作者の制作プロセスや印刷方法、参考にしたサイトや本なども紹介されているので、勉強になること間違いなし。
学生なのにとんでもなくクオリティ高い人もいてビビります・・・。
クリエイティブ業界に就職するためのポートフォリオの教科書
ポートフォリオの基礎知識に始まり、オリジナルロゴの作り方、制作スケジュール、業界知識、制作実例などなど。
これ一冊あればポートフォリオの作り方はバッチリ!
採用担当者の心に響くポートフォリオアイデア帳
テーマに沿ったポートフォリオの制作方法を紹介。採用担当者の心を掴むアイデアが盛りだくさん!
中途未経験のためのポートフォリオの作り方 まとめ
今回は、
- デザイナーにとってのポートフォリオとは?
- ポートフォリオの作り方
- ポートフォリオを作るためのWebサービス
- ポートフォリオに入れる作品はどんなものがいい?
- ポートフォリオ作りの参考事例はどこで見られる?
といった内容を解説してきました。
ポートフォリオを作るのは、かなりの労力が必要となります。
特に課題やこれまでの制作経験がない、中途未経験でデザイナーを目指す方は、作品作りから始めないといけないので。しかし、ここを乗り越えないとデザイナーにはなれませんので、諦めずにがんばってくださいね!
うまくいかなくて、
うわあああ!!
となってしまったら、一旦ポートフォリオのことは忘れて楽しいことをしましょう。そういった気分転換の方法は、デザイナーとして働き始めてからも役に立ちます。
それではまた。
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コメント
初めまして、この春から新卒の就職活動を始める者です。ホームページやアプリなどのUI/UXの分野に興味があり、「webデザイン」という職種から就職活動を行おうと思っています。しかしながら、デザイン系の学部ではないのでポートフォリオを考える前に自分の作品という物が皆無に等しい状況です。なので、新卒で未経験者も応募資格のある企業を探しています。ただ、デザインの業界を選択する以上ポートフォリオを作るのは採用段階においては最低条件であると思っているのですが、やはり必須でしょうか?
また、実際にポートフォリオを作るとなると、大抵のサイトではadobe製品のソフトを使用して紹介されてて、使ったことのない私はその時点でも同じ業界を目指す新卒から大きく遅れを取っている気がしています。
当記事の内容とは、ずれた内容ですがお答えていただけたら幸いです。
mode様
ご覧いただきありがとうございます!
結論から先に申し上げますと、「ポートフォリオはあったほうがいい。無いならポートフォリオに変わるものを」です。
前提として、就職活動は「他者といかに差別化するか」のゲームです。
だから服装やカバンなど見た目を揃えて、いかに「内面」を浮き彫りにさせるかということをしているんだと僕は思います。(それでもイケメンや美人は外見が目立つし、外見がいいほうが有利ではありますが….)
その点において、ポートフォリオは他者との差別化がしやすい一番のツール。話すエピソードは捏造することもできますが、ポートフォリオは実際に作ったものなので捏造もありませんし。
いかに熱意ややる気を話しても、面接官にその熱意を伝えるツールがないと信用してもらえません。今すぐAdobeの学生プランを契約して、UIトレースでもいいので始めるべきです。無料でも使えるし、有料版でも毎月1100円くらいです。
https://www.adobe.com/jp/products/xd.html
MacユーザならSketchでもアリです。
https://www.sketchapp.com/
「でもそんな初心者が作るものなんて見せてもなぁ…そもそも恥ずかしいし….」と思ったら、まず身近な人やデザインやってる友人に見せること。人の目に触れてアドバイスをもらうことで、デザインは上達します。
それに、たとえ作品のレベルとしては低くても、「1ヶ月でこれだけ作りました!作成時のポイントとしては〜・・・」みたいに話せたほうが、やる気が伝わるのは当然ですよね?そう行った意味でも、今すぐUIデザインを始めるべきだと思います。
「別にUIデザインごりごりしたいわけではないし、どちらかというとUX側なんだよね….」という場合でもUIデザインしてみないとわからないこともあるし、いきなりUXはできないと思います。図面引けないのに建築家にはなれません。それと同じことです。
UIデザインの練習はしないなら別の何か、例えば受ける企業のコーポーレートサイトを分析してUX改善案を持っていくとか。これ、かなりやる気伝わると思います。
長くなってしまいましたが、「ポートフォリオはあったほうがいい、ないなら別のものを」が僕の結論です。
春からの就職活動、大変だとは思いますが頑張ってください!